「主教教会博士ヨハネ・クリソストム」(聖人シリーズ53)

ヨハネ・クリソストムは345年ごろにシリアのアンティオキアで生まれました。若い頃は砂漠で修道生活を送ろうとしましたが、健康を害したため町に住み、397年にはコンスタンティノープル(現在のイスタンブール)の総主教になります。しかし、彼の在位期間は短く、皇后の怒りを買ったため、2度も流刑にされ、407年に亡くなります。

ヨハネ・クリソストムの“クリソストム”というのはあだ名で“金の口”という意味があります。ヨハネは非常に雄弁に説教を語り、多くの人が彼の説教を聞こうと詰め掛けたことから“金の口”(クリソストム)と呼ばれたのです。その説教は、礼拝、特に聖餐式への洞察を与えるものであったと言われています。

祈祷書の136ページには彼の手によると言われる「クリソストムの祈り」が収録されています。「今この共同の祈りに心を合わせて祈る恵みを与えてくださった主よ、あなたはみ名によって心を一つにする二人または三人に、み心にかなう願いを遂げさせてくださると約束されました。どうか僕(しもべ)らの願いをかなえて益とならせ、今の世では主の真理を悟り、後の世では永遠の命の恵みにあずかることができるようにお願いいたします。アーメン」

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